入学年月

2017年1月(J17)

 

勤続年数(就活当時)

8年

 

MBA入学前の経歴(業界、職種、職位、業務内容等)

 メーカーのコンシューマ製品事業にてマーケティング、事業計画立案、SCM企画、新製品のプロジェクトマネジメント業務に従事。うち1年余り、Next Chinaに当たる新興国に行ってみたいと思い、自分から手を挙げてインドの販売子会社に赴任しましたが、そこでの経験がMBAに向けた重要な転換点になりました。

 

MBA後の就職先(業界、職種、職位)

戦略コンサルファームのコンサルタント職(いわゆるMBA採用ポジション)

 

 MBA入学の動機

 学部生時代、ゼミの先生がIMDで教えていたことから、MBAというものはその頃から知っていたのですが、実際に志すようになったのはインドでの赴任後です。主な理由としては以下の3点かと思います。

 

グローバルに通用するケイパビリティを得たい:

 前職でインドに赴任していた際のことですが、ローカルスタッフは自分の本音を隠し、本社からの赴任者に従っていた感がありました。自分としてはどうしたら言語や文化の壁を超えて、ダイバーシティの中でフェアな関係で本音を言い合う/引き出すコミュニケーション力を身に着けられるか、と考えた時に、特に上下の関係がない学校という環境でその能力を磨きたいと考えました。

 

マーケティング・ブランディングを深く学びたい:

 前職では日本のブランドとして品質の良さをアピールしているはずが、結局はコスト競争に陥る現実を目の当たりにしていました。もちろんこれには様々な要因がありますが、自分のアプローチとしてはマーケティング・ブランディングに強いHECでValue creationの手法を学びたいと思い、ことが有効ではないかと考えました

 

MBAホルダーのネットワークに入りたい:

 某留学予備校のMBAフェアに行ったりすると、MBA卒業生同士で思い出話や近況報告をしているのを見て、非常に楽しそう&刺激をもらえそうなネットワークで純粋に良いなあ、と思っていました

 

当時の志望業界・職種

 留学当初から、トップダウン的アプローチで将来の経営シナリオを描く能力を身に着けたい、という理由から戦略ファームのみを見ていました。

 事業会社での新卒からの8年間は部門担当者としてボトムアップ的に事業を改善することを繰り返していました。しかしながらキャリアの延長線にあるマネジメント層に必要な将来の事業の方向性・シナリオを定めるために必要な思考はボトムアップアプローチを続けていても身につきにくいため、仮説思考で問いを解いていく戦略ファームのアプローチに興味を持つようになりました。

 

インターン先(業界、職種、業務内容)/インターンでどんなことをやったか

インターンは2つ、いわゆるサマーインターンと、フィールドワーク(当時存在した、インターンを単位互換に替える制度)でそれぞれ経験しています

 

l  サマーインターン:戦略ファームの東京オフィス(短期)。1月入学者は夏休みの期間が短いが、Copenhagen Institute of Interaction Design のサマースクール(おすすめです!)に2週間行きたいという組合せ上、短期がオプションだったためこちらを選択。内容は他校MBA生と2人1チームで指定されたトピックについて海外の事例をリサーチする内容でした。

l  フィールドワーク:フランスのモビリティ企業の海外進出(アフリカ)リサーチ。Linkedinでの応募を通じて見つけたインターン機会ですが、これはフルタイムの就活を終えた後の話なので、就活には直接関係ありません。

 

就活スケジュール

1.合格後~渡仏前

エージェントとの接触によるコンサル業界転職の情報収集、インターンの応募。1月入学だと各社の壮行会もないので、自分から情報集めをする必要がありました。

 

2.1年目(2017/1~12)

l  1~2月

 入学して僅か2週間くらい、生活と授業に慣れるのに必死!というバタバタしている時期に応募していたインターンの面接案内が来たため、コンサル出身の日本人の先輩に数回、ケース面接練習をしてもらう

 2月頭にロンドンでインターンの面接。中旬にインターンオファーを頂く

l  3~8月

 この期間、ケース面接対策という点ではあまり多く時間を割いていないです

 4月のロンドンキャリアフォーラムで何社かコンサルファームを受け、そのうち期間中に選考が終了した1社からオファーを頂く(とりあえず卒業してもニート、の可能性はここで消滅)

l  9月~11月

 インターン先のフィットを鑑み、就活を継続することを決断し、そこから現勤務先のオファーを貰うまでの一番就活として大変だった時期です

 ケース面接対策は1日2ケース程度。対策法は主に2種類で、①戦略ファーム勤務/出身の人にトレーニングしてもらう ②欧州MBAの友人で戦略ファーム志望の人とスカイプで練習 を組み合わせていました。①で出してもらった問題を②で友人とお互い練習する(自分は良い復習になる)というスタイルでした。

 最終的にはボスキャリで戦略ファーム2社からオファーを頂き、現在の会社のオファーにサインして就活は終了しました

 

3.2年目

なし

 

就活を終えての所感

MBAに行く時点からの進路の希望であった戦略ファームからオファーを頂くことができましたが、ポイントとしては

l  各社の応募の順番とタイミングを測り、最も希望する会社に最大のパフォーマンス/十分な経験値で挑めるようにすること

l  自分のネットワークを生かし、ケース練習の機会確保や各ファームの情報集めに対して最善の努力をすること

の2つかと思います。

 

HECで力を入れて活動したこと、やったらよかったこと

l  やったこと:マーケティングの学び

 元々興味のあったマーケティング・ブランディングに関しては、Marketing specializationとLuxury Certificate (LVMH協賛のExcellence in Client Experience certificate)を通じて広く学べたかなと思います。また、特に注力していたAdvanced marketingでクラストップの成績を取れたのは自分としては重要なAchievementになっています

l  やったこと:ワインのおいしさを知ってしまった

 偶然引き受けることになったPresident of Wine & Spirits clubは人生の幅を広げるという意味で非常にいい経験になりました。ボルドーの有名シャトーへのトレックをはじめ、ワインテイスティングのイベントを企画したのは今でもいい思い出です。なお、私のワイン知識は超限定的なので、主なバリューの出しどころはロジスティクス面だったのは一言申し添えておきます。。

l  やったらよかったこと:フランス語学習

 日常生活からフランス国内の旅先(特にワイナリー)でフランス語が話せたらもっと面白かっただろうに、とは今でも思います。

 

HEC MBAがどのように現在の業務に活かされているか。

 MBAでの学びは戦略ファームで求められる内容にそのまま生かせる、というわけではないですが、MBAで学ぶ企業経営全般に関する一通りの知識は基礎として役立っています。また、特にHECで学んでよかったな、と思える点は、先にも述べたマーケティングでのValue creationの考え方で、これは現職での顧客・マーケティング戦略のプロジェクトにおいて特に生かされていると感じます。

 

HEC受験生へのアドバイス

 MBA/HECでの1年半で何を学びたいのか、学業以外でどんなことに取り組みたいのか、しっかり考えておくことだと思います。特にHECはフレキシビリティが高く自分でデザインしやすいので、自らやりたいことがあれば何でもチャレンジできます(これは言い換えると、手を抜こうと思えば抜ける、ということでもあります)。それは別に勉強・就活準備のことだけでなく、学生コンペで賞金荒稼ぎする、ワイナリー100箇所巡る、とかでも、何でも良いと思います。「とことん」やることを決めておきましょう! 行ってから考えよう、と思うと、意外にもう半年過ぎていた、ということも。

 とはいえ、留学してからは、留学前に予想していなかった「面白そうな機会」も多々降ってきて、やるかやらないか、悩むこともあると思います。ですが、MBA前にしっかりした考えの軸を作っておけば、機会に対してのEvaluationの眼も鋭くなり、「いい経験」をより引き寄せやすくなるかと思います。

 

 最後になりますが、帰国後、受験仲間やクラスメイトと話す時に「良い酒の肴」になるようなユニークな留学の時間を過ごしてもらえればいいな、と思います。

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