入学年月

2017年9月(S17)

 

職歴

8年

 

MBA入学前の経歴(業界、職種、職位、業務内容等)

職種:メガバンクにて、主に海外プロジェクトファイナンスに従事

最終職位:調査役

業務内容:融資組成・ファイナンシャルアドバイザリー等、最後の2年は海外プロジェクトファイナンスの戦略企画等担当

海外経験:純ジャパ、ロンドン勤務1年経験あり。後半5年間業務は英語中心。

 

MBA後の就職先(業界、職種、職位)

インターン先でもあったCFAO(後述)に就職

事業開発担当(主に事業ストラクチャー・ファイナンスストラクチャー構築)

Senior Project Structuring Officer

 

MBA入学の動機

8年間銀行での仕事は最高に楽しかったし、30代も楽しいのだろうけど、40過ぎて同じ会社で管理職になることに魅力を感じず、一旦外に出てチャレンジしたかった。

 

当時の志望業界・職種

今をときめくテック業界や、潰しが効き頭を鍛えられそうな戦略コンサル

 

インターン先(業界、職種、業務内容)

アフリカで165年の歴史を持つフランスの老舗商社CFAO(近年、豊田通商が買収・子会社化)にて、アフリカの再エネ・インフラ事業を担当

 

インターンでどんなことをやったか

豊田通商・CFAOとしてのアフリカにおける再エネ・インフラ事業の立ち上げ全般

米国スタートアップでケニアで無電化農村で発電・電力供給を行うミニグリッド事業会社向けのエクイティ投資(シリーズBリードインベスター)・出資後の事業戦略立案

アフリカのCFAO子会社・官公庁・企業顧客向けの屋根付太陽光事業立ち上げ

 

就活スケジュール

1.合格後〜渡仏前

日本でコンサル等の壮行会に出席、ふーんて感じ。妻の妊娠・出産もあり、あまり身が入らず。

元々欧州で仕事見つけたいと言う思いが強かったです。

 

2.1年目

 入学して色々な採用イベント参加企業等を見ている中で、「英語(フランスでは仏語)ネイティブ」でもなく、「(英国では)就労ビザも持っていない」なかでの海外就職は、業種・職種・役職・肩書き・給与等、どれかをかなり妥協しない限り厳しく、残るなら前職の専門性を活かせる職種しかないかなと痛感

 ボスキャリ参加検討するも、集団就職活動(面接対策等)・日本での就職の気が乗らず、参加せず。

 ロンドン・ダブリンのテックトレック(フィンテックスタートアップやGAFA等訪問)。世の中の流行りに魅力(自分も乗らなきゃ的な焦り?)感じるも、(トップエンジニアならまだしも、所詮入れても文系職なので)業務内容に魅力感じず、自分の経験・バックグラウンド的にフィットしない感をもろに感じる。

 給与や潰しが効く事、経営全般に触れる経験ができるだろうという事で「コンサルいいかも」と思っていたが、コンサルの人たちと話すほどに「自分は違うな」と感じ、またケース面談対策などに明け暮れる事に違和感を感じ、辞める。

 

3.2年目

 そんな矢先に日本人の知人経由で上記インターンの紹介を受け、インターン開始と同時にフルタイムの打診もあったため、あまり真剣に就活せず。

 前職の経験を生かせそうな国際開発銀行系(IFC: 国際金融公社やEBRD: 欧州復興開発銀行等)を検討するも、官僚的組織に自分が馴染めない事が自明の為、結局受けず。

 某組織コンサルの役員と面談の機会あり、意気投合。「この人の下で働きたい!」と感じるも、自分のバックグラウンドややりたい事と違うという認識もあり断念。

 銀行でのプロジェクトファイナンス経験が活かせて、グローバルな仕事ができるだろうという事で、日本の某総合商社の面接受けるも、新卒採用のような堅苦しい面接スタイルに激萎え&見事撃沈

 

就活を終えての所感

 結局あまりまともに「就職活動」というものをせずに終わってしまいました。

 海外MBAを通して色々な選択肢を考えたいと思ってましたが、結局「日本人である事+MBA前の経験+海外MBA+それらをどう活かしたいか、自分が何がやりたいか」をあれこれ考えた結果、「前職の経験が活かせ+日本人であることを活かせ(親会社が日系企業)+自分が本当にやりたかった事(事業開発を通じた新興国の経済発展+海外でチャレンジ)+家族を養える」などの条件を考え、最良の仕事に出会えたかなと思っています。

 

HECで力を入れて活動したこと、やったらよかったこと

 最初の1年は初めて&海外の子育て(入学時2ヶ月半の息子)ということもあり、あまり課外活動に全力で打ち込めませんでした。後半に徐々に活動の幅を広げ、毎年恒例だったJapan Week (日本文化をクラスメイトに体験してもらうイベント)を、アジアの他の国のクラスメイトを巻き込んだAsia Weekにしようと提案し、結果豪州も含めたAsia-Pacific Weekを企画しました。

 Asia-Pacific Weekでの宴会芸がウケ、MBAT(欧州のMBA校がHECに集結するスポーツイベント)の夜の音楽バンド対決のMCをやらせてもらいました。(思えばMBAらしいこと全然せず、遊び企画ばっかですね。汗)

 他は細々としたイベントを企画したり、クラスメイト向けに日本人らしい「痒いところに手が届く」ようなサポートをしたりの積み重ねもあり、最後にクラスメイトや教職員が選ぶLeadership Awardに選んでいただけたのは嬉しかったです。

 

HEC MBAがどのように現在の業務に活かされているか。

 MBAでのアカデミックな学びが日々業務に活きてるかと言うと、前職の経験の方が活きてる気はします。ただ、経営戦略や組織の課題などに対し、「あ、MBAでやったケースにそっくり」とか、「あーこれはあの授業思い出すわー」みたいな、引き出しが増え、仕事で出てくるイシューや事象を「言語化」しやすくなったように思います。

 またHECの魅力でもある国籍・年齢・出身業界の多様性はやはりかけがいのない経験です。バックグラウンドの全く違う仲間とのグループワークは難しさと同時に、うまくできるとダイバーシティの強さを実感できます。同質的になりがちな日本の組織にいた人にとっては余計にいい経験だと思います。今も仕事でアフリカや欧米・アジアの人たちと日々一緒に仕事する中で、その経験は活きてると思います。

 

HEC受験生へのアドバイス

 一昔前に比べ、MBAの金銭的価値(投資リターン)は低くなっているのではないでしょうか。昔は「MBA後、投資銀行やコンサルでがっつり稼ぐ」「就職先がMBAの学費や引っ越し費用など出してくれる」と言った話をよく聞きましたが、学費や2年分の給与分の投資に対し数年でペイするような就職先は限られますし、それが本当に自分のやりたい仕事である人はさらに限られると思います。

 なので、「MBAに行けばいい仕事が見つかる」とは思わず、自分のバックグラウンド・MBAで何をして、その先どんな事をしたいのか、色々な人と話しながら考える事をお勧めします。そして其々のバックグラウンドと、MBAで何をしてその先どんな事をしたいのかによって、どこの学校が合っているか、正解は変わってくると思います。ぜひ興味のある学校の在学生・卒業生と話しながら自分なりの解を見つけてください。

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